キャッシュの残し方~利回り・金利編

ニコの不動産投資

不動産投資の「利回り」とは、家賃年収を物件価格で割り算した値です。
不動産投資を行うにあたって、利回りは重要な指標ですが、
利回りが高い低いで一喜一憂することなく、利回りを見ていくことが大切です。
金利も同様です。単に低金利・高金利だけでなく、どのような物件に融資をしてもらえるのか、
返済期間はどこまで伸びるか、こうした観点を総合的に持つことが大切です。

今日は、利回りや金利について、
ニコがどのような考え方に基づき物件査定を行っているのか、解説したいと思います!

①そもそも利回りってなに?

物件価格が5000万円の物件の場合、
利回りが10%なら年間家賃収入が500万円、
利回り8%なら年間家賃収入が400万円、ということになります。

利回りが何%か、つまり、この物件を買うといくらの家賃年収が得られるのかというのは、
不動産投資の結果に関わることなので、当然ながら誰もが関心を持ちます。

利回りは高い方がもちろん嬉しいのですが、
「利回りが高い≒年間家賃収入に対して物件価格が安い」ということなので
なぜ、物件価格が安いのかを冷静に見極めていく必要があります。

例えば、再建築不可物件であったり、容積率オーバー、市街化調整区域、空室が多い、
築年数がものすごく古い、今後すぐに高額の修繕が必要だ等々の条件があったりします。

逆に、こうした心配がない物件や、常に満室を維持できるほどの人気のエリアにある物件は、
誰もが欲しいと思う物件となり、必然的に値段が高くなり、利回りが低くなります。

これらの条件を自分がリスクテイクできるかを見極めていくわけです。
不動産投資のリスクテイクについてはこちらの記事でも解説していますので、
是非ご確認ください!

②融資が出るかどうかの観点も大事

利回りが高いということは様々な問題上がるよと指摘しましたが、
一番大きな支障は、融資が出にくいということです。
高利回りの物件は、法的瑕疵物件や法定耐用年数以上の物件が多いので、
そもそも融資付けがとても難しいという問題があるのです。
銀行評価が出にくく、十分な金額の融資を受けられないため、
現金がないとそもそも物件が買えないという状況になるわけです。

金融機関は個人の属性だけでなく、物件の評価も見ていきます。
利回りと融資は、直接的にはさほど関係が無いように見えるのですが、
いくらの融資を受けられるかどうか、何となく利回りとも相関関係にあるわけです。

たまに「利回り30%!」「利回り70%!」というような方も見受けられますが、
ほとんど中古戸建を現金決済しているパターンですね。
アパート投資で融資を使う投資手法とはそもそも競技が違いますので、
あまり意識しないことが大事です。
ニコの感覚で言うと、融資を受けて物件を購入するのであれば、
利回り13~15%程度あれば、
バランスの良い高利回り物件ではないかと思います。

蛇足として、築古の高利回り物件で融資を出してくれる金融機関ですが、
⑴日本政策金融公庫か⑵三井住友トラストL&Fなどが有力です。
⑴日本政策金融公庫は金利は2%前後ですが、融資期間が10年程度と短いので、
どうしても返済比率が高くなってしまいます。
あまり金額の大きな物件だと、ほとんどキャッシュは残らないと思われます。
⑵三井住友トラストL&Fは金利が3.9%(4000万円以上であれば2.9%)なので、
金利負担は大きいのですが30年程度まで融資期間をとれるので、
月々のキャッシュは残りやすくなります。

利回りと金利の差のことを「イールドギャップ」と呼びますが、
不動産投資の利益を考えるには、
利回りはできるだけ高い方が良く、金利はできるだけ低い方が良いため、
高利回り物件を低金利で買うことが理想的なので、この差は大きい方が好ましいのです。

しかし、不動産投資の本に「イールドギャップが10%以上のものが良い」等と
書いてあったりするのですが、イールドギャップだけに注目していてはまだ不十分です。

上の公庫とトラストの例でも書いていますが、手残りキャッシュフローを伸ばすためには、
金利と合わせて、返済期間がかなり重要な意味
を持ちます。
返済期間が長ければその分、月々の返済額が少なくなり、手残りキャッシュが増えるからです。
返済期間が長いと、もちろん総返済額は大きくなりますが、
まずは不動産投資初期の期間で少しでも多くのキャッシュを貯める手段としては、
なるべく融資期間を長く持たせてることがとても大切です。

こういうことを総合的に考えて物件と向き合うことが肝要です。

③利回りは低いというだけでリスクになる

「総合的に物件と向き合いましょう」と言った直後に何言ってんだと怒られそうですが、
正直、「利回りが低いこと自体=リスク」であることは変わりません。

よく、資産性があるという理由で低利回りの物件を買う方がいますが、
これはお金持ちの戦略ですね。僕みたいな一般公務員の給料じゃ再現できない戦い方です。

得られる家賃収入のうち、どのくらいの割合を返済に回すのかを「返済比率」といいます。
この比率が高くなると、空室が出て収入が減った場合や、
修繕費がかかって出費が増えた場合に、返済できなくなるリスクが高まります。

融資期間によりますが、利回りが低いということは、「返済比率が高くなりがち」です。
返済比率はどんなに高くても60%程度、できれば40%程度で抑えられると安心です。

ある程度の利回りがあれば、キャッシュもそれなりに残ってきます。
そして、不動産投資で抱えるトラブルの多くはこの現金があれば解決できます。
投資初期はある程度リスクを取って高利回りにチャレンジすべき理由はここにあります。

現金が手元から枯渇するような利回りの物件を買ってしまうと、
空室リスク等に耐えられなくなる可能性があるわけです。

④そもそも何のために不動産投資をするのか

最後に、「そもそも何のために不動産投資をするのか」という
原点に立ち返って考えてみたいと思います。

「本業以外に収入を得て生活を安定させたい」とか、
「十分な収入によって経済的・時間的自由を手に入れたい」
という方が多いのではないかと思います。

それはつまり、物件を買うことが目的なのではなく、
現金収入を確保することが最優先となるはずです。
だからこそ物件選びで最も重要なのは、いかに現金を残せるか、ということになります。

この観点から言うと、
今回のテーマである「利回り」「金利」というのは重要だという事は間違いないのですが、
最終的な「手残りキャッシュフロー率」を把握することも大切です。
・管理会社への運営委託費や水道光熱費
・インターネットなどの設備関連費用
・各種税金関係

こうした支出項目を精査し、本当に財布に入るお金をいくらなのかという点を意識するわけです。

1つの目安をお伝えすると、最低でも「キャッシュフロー率2%」の物件を買いましょう。
大手の新築アパートのキャッシュフロー率は「0.7%」だったりしますが、
単純に3分の1の収益率です。
こうした物件を買ってしまうと、規模拡大が難しくなります。

このキャッシュフロー率から逆算すると、
不動産投資で毎月100万円の収入を得たいのであれば、
合計で6億円程度の借金をする必要があります。

(※6億円の2%が1200万円で、月々100万円という考え方です。)

つまり、1棟買えば終わりということではなくて、何棟も買い続ける必要があります。
そのためには、買い続けられるような買い方を意識していく必要がありますが、
この辺はまた違う記事で解説したいと思います!

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本日は以上です!
今日は皆さんの関心が高いであろうキャッシュの残し方について、
「利回り」と「金利」の切り口から解説しました。
不動産投資の目的を見誤ることなく、
きちんと現金が残るような物件を、上手に融資を使って買いましょう!

今回の記事で出てきた公庫ですが、
僕のTwitter友達の「太郎さん」が公庫を完全に攻略しています。
そして、めちゃくちゃ実用的なブログを書かれてます。
ぜひこちらも参考にしてみてくださいね★(本人に許可もらってますよ!)

太郎さんのブログ「不動産投資の歩き方」…不動産初期に知りたい情報が盛りだくさんです。

そして、何度も言いますが、優良物件というのは、優良不動産業者が持っています。
なるべく質の良い不動産業者と付き合えるように、情報感度を高めておきましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました!

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